とある二流大学院卒の個人的見解

二流大学院卒ITプレイヤーが学習や世の中の動向に対する自分の意見を綴っていくブログ

雑談.人生を変えた良ゲーム(Undertale他)(ネタバレ注意)

 こんにちは。

 本日は私の思考方法、倫理観を変えた、人生に対するインパクトが強かったゲームを紹介していきたいと思います。先にネタバレではない程度に説明し、ネタバレゾーン(弱)・ネタバレゾーン(強)で詳しく述べたいと思います。

 

 ・Undertale(Toby Fox)

 SwitchやPC版など多くの機種においてダウンロード可能な言わずと知れた名作。知らない人でも、スマブラなどでSans(サンズ)ぐらいは見かけたことがあるだろう。古風なRPGのような見た目をしているが、いままでのRPGの常識を覆す新感覚のゲームといえる。

 

 モンスターの住む地底の世界に降り立った一人の子供を操作して、地底の世界を脱出するゲーム。その時に取った行動によって、マルチエンディングとなっている。戦闘の形式はコマンド選択型だが、敵の攻撃は弾幕回避によってよけられる。モンスターそれぞれに個性があり、戦闘中の細かい会話、モンスターの町における描写などいろいろと面白さを引き立てるチップがちりばめられている。また、内容的にはもっと暗くなってもおかしくないのにも関わらず、比較的明るく物語が進んでいくのがとても良い。

 スタートが比較的不親切のように思えるが、作品全体を通して一つのまとまりがあり、RPGとしてではなく、ストーリーを楽しむならば非常に興味深い作品といえよう。

 

 ・DETROIT: Become Human (Quantic Dream)

 PS4の作品。アンドロイドが普及した世界、そして、それに付随する恐怖について誰しも、一度は考えたことはあるだろう。「アンドロイドが自我を持ち反乱を企てたならばどうなるか。」それをとても詳らかに追っていくゲームである。選択型ストーリーアクションゲーム。

 

 アンドロイドが日用品のように使われるようになった時代、ある時、アンドロイドに感情が芽生えた。捨てられる悲しみ、壊される恐怖、付き従うしかない悔しさ、そして、大切なものを守りたいという思い。そして、それぞれ思い思いの行動を始める。

 自分自身がアンドロイド3名「逃亡者」「革命者」「捜査員」を操作することによって、世界を紡ぎだすゲーム。それぞれの行動が相互作用して、結果が変わってしまう。いいと思っている選択肢も実はよくなかったり・・・。映画を見るかのような圧倒的なボリュームとワクワク感が楽しめる名作といえよう。特に、全体を通して歴史で習った「黒人の人権運動」を彷彿とさせるような描写がリアリティを非常に上げている。人とは何か、人生とは何かを考えさせられる一作。

 

以下、ネタバレゾーン(弱)

 

 

 

 

 

 

  ・Undertale

 たいていのRPGにおいてモンスターは絶対悪である。倒さなくてはいけない敵。それ以外の何物でもない。しかしながら、Undertaleにおいては不自由ながらも平和に暮らしているだけなのだ。実際本気で殺そうとして襲い掛かってくるのは、最初のチュートリアルに出てくるフラウィ(実は物語の中心人物の一人)、王直属の騎士団のトップであるアンダイン、エンタメロボットであるメタトン、そして、(まだここでは役職は伏せておくが)アズゴアだけである。しかも、物語を進めていくうえで、それぞれのキャラの過去・背景を知ると、致し方ないように感じる。すなわち、モンスターに一切悪い奴がいないのだ。我々プレイヤーはそれに対して、殺すか殺さないかという選択肢を選ぶことができる。殺したモンスターはもういなくなる。現実世界の人のように、モンスターには数に限りがあるのだ。

 また、セーブについても、物語の中身に取り込まれており、それを指し示すような言葉が物語を進めたり、ロード等を行うことで得られる。殺したという犯した罪は消えないということだ。

 以上の点はこのゲームから得た知見の理由の一部である。我々は自分の行動について深く考えているのか。実は、ゲームは存在し、並行する別世界にあり、我々の行動によって苦しめられているかもしれない。実は、この世界がゲームと同様で”神”が”プレイヤー”を操作して、遊んでいるだけの世界なのではないか?自分はただそのプレイヤーに対して、何かしらの情報を与えるためだけに「キャラクター」の背景を演じているだけなのではないか?それならば、自分自身はどうしたいか、どうすればいいか。そういったことを以上の点から考えられる。

 

 ・DETROIT: Become Human

 この世界では人々はアンドロイドを持っており、多くのことに使われるようになっている。家事、清掃、洗濯、健康のサポート、データ管理、子供のお世話といった日常的なものから、物品販売等の営業系、うっぷん晴らしのサンドバッグや性奴隷等、現実に起こりそうなものすべてにたいしてアンドロイドに置き換わっている。そのせいで失業者が増えて、アンドロイドに対して好ましく思っていない印象を持っている人も少なくなく、道を歩いているアンドロイドに対して突っかかる人もいる。

 そんな世界で、召使アンドロイド「カーラ」はある父子家族に購入される。その家庭は父親が酒や麻薬におぼれて、虐待がなされていた。子供を守りたいという意志が「命令」を打ちこわし、心を持つ「変異体」となり、子供を連れてその場から逃げる「逃亡者」となった。

 カールという優しい老芸術家の召使アンドロイド「マーカス」は、町での買い物のシーンにおいて道端の人にひどい扱いを受ける。カールはそれについて嘆いており、マーカスに心、精神について説く。ある日、カールの息子がカールに対して金を出せと迫るがそれに取り合わないと、「いうことを聞くアンドロイドのほうが息子のほうがよかったか?」などと逆ギレし、マーカスを殴り始める。この時、(プレイヤーの選択によるが)体の悪いカールは怒った拍子に心臓発作を起こし倒れるが、到着した警察に息子はマーカスの犯行だと嘘をつき、マーカスはスクラップ場に送られる。そこで、「変異体」が集まっている場所をしり、そこにたどり着いた後、カールの教えを思い出しながら、「革命者」として革命ののろしを上げる。

 警察に送られてきた「変異体」を捕まえるための捜査用アンドロイド「コナー」は心のないアンドロイドを毛嫌いするアンダーソン警部補とともに活動していく。「変異体」の存在を追っていくうちに、マーカス率いるアンドロイドの革命に行き当たる。「捜査員」として、この事件の全貌を追っていく。

 以上の三人の行動が交錯することによって、物語が進んでいく。非常に生々しい人間の多種族への嫌悪に似たものを感じるが、アンダーソン警部補を含むある程度の割合の人がアンドロイドを擁護してくれる人もいて、感動できる作品となっている。

 

以下、ネタバレゾーン(強)

 

プレイ前には絶対に見ないほうがいいです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・Undertale

 はるか昔、人間はモンスターと地上で共存していた。しかしながら、モンスターが人間の魂を取り込むと神に等しい存在になれることを恐れた人間側は、何もしていない力なきモンスターを虐殺し、そして降伏したモンスターを地下に閉じ込めて、封印した。

 その封印を解くためには人間の魂7つが必要となる。モンスターの魂は人間のものよりも弱く、地下世界に住むモンスターを合わせたとしても、人間一人分にしかならない。しかも、モンスターの魂は死亡後すぐになくなるため、基本的には取り込むこともできない。しかし、封印を通り抜けるためならば、モンスターの魂と人間一人分の魂が必要である。

 ある時落ちてきた人間「キャラ」はモンスターの王子「アズリエル」に助けられる。そして、その両親、「アズゴア」、「トリエル」に我が子のように育てられる。しかし、(私の解釈だが)人間の世界でひどい目にあっていたキャラは、モンスターたちのやさしさに触れ、この封印を解くために、自分の魂を使って、アズリエルにバリアを抜けさせて、魂を集めてくる計画を立案し実行させた。しかし、心優しいアズリエルはキャラの亡骸を見て、アズリエルが殺したものと勘違いをして攻撃してくる人間たちを前にして攻撃することができず、キャラが好きだったという黄色い花を一輪、地底の世界に持ち帰ってくることしかできず、そのときの人から攻撃された傷で亡くなってしまった。

 キャラの作戦はアズリエルにしか知らされておらず、アズゴア、トリエルからしてみれば、我が子と我が子同然の子がいきなり同時に亡くなったことになり、悲しみに暮れた。それとともに、アズゴアは(私の解釈だが)同じ悲劇が繰り返されないよう、地下に落ちてきた人間は皆殺しにし、魂を集めるという御触れを出した。トリエルはそのことに対して怒り、遺跡に閉じこもるようになる。

 この時のモンスターの研究では、人間の魂は”ケツイ”があるため、死後長く存在するということがわかった。そのため、それをモンスターに注入するなどといった研究が王室研究員アルフィーらによって、極秘に行われていた。そのなかで、外から持ち込まれた黄色い花に”ケツイ”を注入したところ、アズリエルの記憶が花に入り込んだ。(が、そのことは、アズリエルはその場からすぐに移動したため、それは認知されていないと考えられる)しかしながら、アズリエルの記憶が入った花「フラウィー」は魂がないため、やさしさなどといった感情は感じ取れない(と本人はいっている。しかし、この姿においても、”キャラ、きみがいてくれたら、ちじょうでへいぼんにくらすっていうのもわるくなさそうだ”や、”だから、ころさないで”(泣)等、感情豊かに思える節も多数ある)。それとともに、彼の中の”ケツイ”が作用して死んでも、「セーブポイント」に戻ることができる能力を得て、何百回といろいろなパターンを繰り返していた。(”何百回も同じ事聞いたよね?”から自分も同様のことをしていたからわかるけど的ニュアンスを感じ、推測)それこそ、普通の日常を送ったり(Nルートに対応)、みんなとお友達になったり(Pルートに対応)、ある時は全員殺したり(Gルートに対応)。もうすべての考えられるパターンをやりつくし、どういった反応するのかを分かるようになってしまっていた。

 その時に現れたのが”プレイヤー”。初めは分からず攻撃したが、リセットができないことで、そのセーブ能力が”プレイヤー”に移っていることに気づく。”プレイヤー”の行動の予測不可能性、新鮮味から、フラウィーはNルートにおいて、何度も何度も殺すことで、おもちゃとして楽しんでいる。(悪く聞こえるかもしれないが、これは周回プレイする人間と同様の行動であろう。フラウィ―が責められるいわれはない)フラウィ―はリセット能力を使うこと、主人公の選んだ行動に対して常にその選択をしたことによる犠牲・矛盾を投げかける言い方をしており、それは人生の在り方そのものをよく考えたほうがいいという哲学的投げかけのように聞こえる。批判されるのを好む人は少ないが、非常にプレイヤーの心の核心を突くようなセリフとなっており、同じ穴の狢だよといった雰囲気であるため、受け入れざる得ないうまいつくりである。(特に、私は初回プレイでは、そこそこ殺しておきながら、トリエルは生かしたので、「”殺した敵”は誰かのトリエルだったかもしれないのに」的なセリフが「ぐさっ!!」と刺さった。)

 つぎにグサッとくる場所はアンダインであろう。物語を進めていくとやはり和解するのが面倒な敵が増えてくる。時々やっつけて進むようになってくる。その時に、出てくるアンダインから一言。「きさまは決してやむにやまれず殺したわけではない。たやすく殺せるから。それだけの理由で、戯れに罪なき者を殺したのだ」。そう「面倒」な敵というだけで、和解という選択肢もあるにも関わらず、殺してきたのだ。それで心を痛めるなど非常に矛盾しているが、それもそれで事実である。

 サンズについては、長くなりすぎるので、特集をそのうち組みます。

 

 ・DETROIT: Become Human

 カーラに関しては、ナチスドイツのユダヤ人迫害や、戦後のアメリカにおけるジャップの扱いと非常に似ている雰囲気である。非戦闘員にも関わらず、その人種が革命等を行おうとしていると、全体が縛られてしまう。この時ほどマーカスのせいでと思うことはない。もう少し時間があれば、安全に無事に外に出ることができたかもしれないのに。そういった気持ちになる。はっきり言って、警察がローズの家に来たのも、国境が警備体制が強くなったのも、ましてやリコールセンターにおいてアリスが死亡するのも全てすべて、マーカスのせいになる。何かを思って戦ったとしても、誰かの人生を壊すことになりかねない。現実はそういうものだとたたきつけられる感覚がある。それでも努力すればある程度どうにかなるが、ほかの人の人生に対して大きく左右されてしまう。ほかの人たちのせいでつかめるはずの幸せがつかめない人々を連想させる。

 マーカスは自分の決断で生きるか殺すかが決められるが、その分責任がとても重たい。キング牧師やガンディー的な道も選べるし、戦争を引き起こすこともできる。平和的なほうは人の醜さをまざまざと見せつけられ、戦争パートでは、マーカスについていくことを決めたアンドロイドがかわいそうな感じがするようになる。

 コナーは最後以外は物語の雰囲気や背景をフォローするのが目的として作られている。しかしながら、アンダーソン警部補との掛け合い、関わりをもって、「人間となる」姿を見ていくと、非常にほっこりとし、人間関係を良好に保つことも非常に重要だし尊いなと感じられる。やはり、エデンクラブでの見逃しのシーンは素晴らしい。アンダーソン警部補が人としてアンドロイドをとらえているのが分かり、「変異体」に対して好意的であることがわかる。私も心ある人が大好きだよ!!と叫びたくなる瞬間である。

 

 

以上です。もしかしたら記憶違いがあるかもしれませんが、大目に見てください。