とある二流大学院卒の個人的見解

二流大学院卒ITプレイヤーが学習や世の中の動向に対する自分の意見を綴っていくブログ

講義3.学習各論2 相関記憶型

 今回の講義は、いかにして記憶の効率を良くするかということを考えていきましょう。

 前回の講義では、反復が重要であるということを言ってまいりました。でも、一回聞いただけでも覚えられるということがありますよね?例えば、映画や小説の内容に関しては少なくとも、どのようなストーリーだったかは一回通して見たり、読んだりすれば、大抵の人は(勿論細部までは出てこなかったとしても)わかると思います。このように、同じことを何度も繰り返さなくても身につけられる方法相関記憶型となります。

 これから相関記憶型について説明していきますが、その前に、3つ断っておきたいことがあります。それが以下のものです。

  1. 中学校までの学習では、この方法を使うと高校の基礎学力が失われてしまう可能性があり、また、中学生では単純記憶型、単一思考型のみで十分対応可能である。
  2. この学習方法は、根底知識を前提とするため、各々の能力にあった適切な接続を以て行わなければ、効果が保証されない。
  3. そもそもこの方法で扱える記憶分野は全体の一部である。

以上のことを踏まえたうえで、進んでいきましょう。

 それでは、相関記憶型について解説していきましょう!!

 先ほど提示した例では何故反復しなくても記憶できるのでしょうか?ここには三つの理由があります。一つ目は、物語を読んでいる中で何度も何度も無意識下で思い出しているから、反復しているとみなすことができるためです。ストーリーはただ、文章の繋がりであるわけではありません。一つの世界観を描いていっているわけですね。その中で、この人は今までこのような行動をしていたからこうするに違いない、このような行動をした理由はこうに違いないなどといった、振り返りを行うわけです。この振り返りこそが、単純記憶型と同じ役割を果たしていると考えられます。二つ目は、自分の考え方や感情をそこに乗せているからです。感情の揺さぶりや自分の経験を含めた考え方をすることによって、脳の内部にある偏桃体は記憶すべき内容として記憶をつかさどる海馬に信号を送るとされています。三つ目は、思い出すときにほかの繋がりがあるところから思い出すことができるからです。これはもうあたりまえですね。

 以上は物語を例としたスペシフィックな話でしたが、ジェネラルに考えることができます。即ち、相関記憶型とは、覚えることに、無意識下の反復、考え・感情の付与、思考の接続の少なくとも一つ以上を行えるようにする学習方法を指すということです。

 一番簡単なものは物語を作るというものになると思います。語呂合わせでも、その問題について扱ったストーリーでも構いません。そうすることによって思考の接続を得ることができます。ですが、根本を理解できない記憶になる可能性もあり、そうすることによって、あとで困ることが出てくることもあります。詳しい内容は教科別学習方法で説明する予定ですが、ここで各教科に対する勉強法のとっかかりを軽くだけ触れておきましょう。

 国語・・・漢字の読み(漢字のつくり)、漢字の意味(漢字の部首や部分)、単語や慣用句(語源やストーリー)

 数学・・・定義(意味)

 英語・・・単語の意味やスペル(語幹、語尾、接頭語)、一部文法(英語の基本は前から後を修飾する、例 前置詞、接続詞、not、etc...

 理科・・・単語の意味(漢字)、各反応(数の一致)

 社会・・・歴史の流れ(ストーリー)、地理(地域の特色の理由)、公民(こうであるべき理由)

 以上がそれになります。と言っても、これだけではよく分かりませんよね。これは、実際まとめて説明することは無理なので、教科別学習方法で説明していきます。

 そして、私が一番オススメしている方法、それは、予習をすることです。えーー?ダルイやと思うかもしれませんが、そんな頑張らなくても大丈夫です。5分でいい。ではこの5分でなにをするのか。それは、今回行う範囲を、何をやるのか、そして、やることに対して今回必要な前の知識は何なのかを考え、調べながら読んでいくことです。そして、先に疑問に思ったことをメモしておく。これを行うことによって、授業の目的が明確になります。すなわち、重点的に聞くべき内容と先に理解していて聞かなくてもよい点が明確になります。先に理解している点の話をしている時はワークでもやっておけばいいでしょう。

 授業を聞くときの態度としては、そうなのかと理解するより、なぜそうなんだろうと疑問を持ったり、先生の教え方に批判的に分析したりすることが重要です。そしてすぐにノートにメモする。板書?いらないいらない。板書なんてほとんどの人が書いているし、後でいい。国語と英語を除けば、教科書を読んで理解できなければ、板書していたところで何の役にも立たない。この方法によって、ノートが自分だけのネタ帳になります。これを教科書と見比べながらその疑問を解消すべく調べていくことによって、衰えても忘れない、長期記憶の作成につながります。(注意.先生の教え方に批判的に分析するのは授業中のみにすること。自分の思考よりも長年の経験を持っている先生の方が間違いなく能力としては上。その先生からの助言はやってみること。)

 熱くなりすぎましたね。本日はこのぐらいにいたしましょう。次は学習各論3 単一思考型です。